Q 指揮者になったきっかけを教えてください。
元々部活動や地元のジュニアオーケストラでトランペットを吹いていました。指揮の先生が変わると仰ることが違うという事が面白く、指揮者に興味を持ちました。指揮者への憧れはあったものの、将来は歴史が好きでしたので社会の先生になろうと思っていましたが、高校3年生の時に聴いたベートーヴェンの第九に感動して、やはり音楽の道に進みたいと思い指揮者を目指しました。
Q 今回の演奏曲「運命」と「田園」で、エピソードや、是非伝えたいことがあれば教えてください。
それぞれの出会いは様々です。運命を初めてコンサートで聴いた時に感じた、終楽章に入った瞬間の打ち震える様な感動は忘れられません。田園は子供の頃は退屈でした。ごめんなさい。しかし、今、これほどの傑作を我々に残して下さったベートーヴェンに感謝しております。エピソードと言えば、運命は、ジャジャジャジャーンで有名ですが、この動機が全曲に散りばめられている事が驚きだと思います。コツコツとレンガを積み上げて大きな建造物を作って行くような忍耐力。しかも完成した音楽は大きなストーリーになっている。驚異的な作品と言えます。田園は標題音楽のはしりと言えますが、色々な風景を思い描いて聴く楽しみもありますが、響きそのものでも充分感動的だと思います。その後のブルックナーの様にも感じます。
Q これまで数多く共演している、東京交響楽団の印象を教えてください。
青春そのものです。秋山和慶先生の元で勉強させて頂いていた頃、ずっと大久保の練習場で見学させて頂いていました。いつか指揮出来たら良いなぁと夢見ていたオーケストラです。初めて指揮台に立った時は震えてました。
東京交響楽団はどんなにお忙しい時でもいつも明るく音楽に向き合っている素敵なオーケストラです。毎回、緊張の連続ですが、ご一緒出来る事を楽しみにしております。
Q 横須賀または横須賀芸術劇場の印象を教えてください。
二期会の音楽教室でヘンゼルとグレーテルを指揮させて頂いたのが初めてです。豪華な雰囲気があり、さらにお客様、オーケストラを温かく包み込んでくれる素晴らしいホールだと思います。
Q 最後に横須賀の皆様へメッセージをお願いします。
ベートーヴェンは音楽家にとって聖書の様な物だと、私がアシスタントを務めた故朝比奈隆先生は仰っていました。しかも、運命・田園を同時に! 若い指揮者にとってはとてもつもなく大きな山に向かう心境です。しかし、今しか感じることが出来ないものに出会えるような気がします。皆さまと一緒にベートーヴェンとお話をしましょう。会場でお待ちしています。
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