YOKOSUKA ARTS THEATRE

野島 稔・よこすかピアノコンクール 出場者決定!コンクール開始まであと1か月!

(写真は前回開催時)

今回は、16歳から30歳まで全国から95名の応募がありました。3月7日の録音審査にて85名が選出され、いよいよ4月29日から始まる第1次予選に参加することになります。

全国から集う若きピアニストたちは、それぞれコンクール本番に最高の演奏をするために、練習やレッスンを繰り返して参加してきます。
コンクールは、そんな彼らの真摯で白熱した演奏を聴くことのできる絶好の機会。一投入魂ならぬ、一音入魂の演奏が繰り広げられることでしょう。
予選から本選まですべてのプログラムを一般の方にも無料で公開していますので、是非ご来場いただき、彼らに声援をお送りください。
ピアニストを目指す彼らにとって、より多くの聴衆の前で演奏し、拍手を受けることは何より大きな励みになるはず。
来場された皆様にとっても十人十色の表現に驚きや発見があることでしょう。ご期待ください。

 

課題曲の聴きどころは?

コンクールというと、なんとなく“難しい”曲を演奏する堅苦しいイメージを持つ方もいるかもしれません。
確かにそうした曲も多く見られますが、ちょっとしたポイントを知るだけで、楽しんで聴くことができるかもしれません。
本コンクールの課題曲は名曲ぞろい。是非その特徴に注目してお聴きになってみてはいかがでしょうか?

 

◆第1次予選(810分)

~練習曲は、芸術的な小品!~

第1次予選は、ショパン・リスト・ドビュッシー、ラフマニノフ、スクリャービン、バルトーク、プロコフィエフの練習曲から出場者が8~10分で構成し、演奏します。

これらは“練習曲”と名付けられてはいるものの、準備運動としての練習曲ではなく、“演奏会用練習曲”でテクニックと豊かな表現力が高い次元で結びつくことが求められます。

例えば・・・・

ピアノの詩人、ショパン12の練習曲は各曲が詩情にあふれています。「黒鍵」や「革命」などどこかで耳にしたことがある人も多いことでしょう。リストの超絶技巧練習曲は、ピアノ音楽史上、難曲中の難曲と言われています。「鬼火」「エロイカ」「雪あらし」等多くの曲に標題がついており、イメージを膨らませながら鑑賞できるかもしれません。

 

◆第2次予選(20分~30分程度)

~ベートーヴェンのピアノ・ソナタの全楽章演奏~

第2次予選では、出場者はベートーヴェンのピアノ・ソナタ1曲を全楽章演奏します。
これは、全国のコンクールでも珍しいことで、本コンクールの特徴的な課題です。
ピアノ・ソナタの神髄ともいえるベートーヴェンのピアノ・ソナタでは、テクニック、芸術性もさることながら全体の構成力やムラなく充実した演奏を行う集中力が問われることになるでしょう。

 

◆本選(3540分)

~個性が際立つ自由プログラムによるリサイタル形式~

本選は、約8名の出場者が自由に選択した楽曲によるリサイタル形式で行われます。
小品から大曲までバランスよくプログラムをする人、大曲1本で勝負する人、古典派・ロマン派・近現代など特定の時代や作曲家に焦点をあててプログラムを組んでくる人など、それぞれがとても個性的。
若いピアニストの今だからこそできる演奏を聴くことができるでしょう。

 

◆野島 稔 審査委員長が語る「ベートーヴェンのピアノ・ソナタとコンクール」

ベートーヴェンのピアノ・ソナタは、本格的にピアノを学ぶ者にとって避けては通れない作品です。ベートーヴェン以降の作曲家はすべてと言っていいほどベートーヴェンの影響を受けていますし、彼はピアノ・ソナタを作曲していく中で次々と新しい試みをしており、それがとても完成度高く表れていて、表現の幅がとても広いのです。

他のコンクールでは、課題曲として一部の楽章を取り上げることがありますが、私は緩徐楽章(※)こそ大事だと思っています。全楽章演奏してもらうことで、出場者の全体像をとらえることができるのです。本コンクールの第2次予選は、ベートーヴェンの初期のソナタから後期ソナタまで、課題曲として選択肢を多くするよう意識しています。初期のソナタが簡単かというとそういうわけではありません。今の自分が何を演奏したいのか、何を演奏するのが良いのか、選択するところからコンクールの勉強は始まっています。

 彼らが心を込めて真剣にピアノを弾く姿は、音のドラマを観るようなものです。その音の光景を是非ご来場のみなさんに聴いていただきたいと思いますし、それが彼らの自信につながっていくものと思います。

緩徐楽章=ゆっくりとしたテンポの楽章

 

過去に出場者が課題曲として選択したベートーヴェン・ピアノ・ソナタ ベスト5!

第1位 第23番 ヘ短調 作品57「熱情」
第2位 第31番 変イ長調 作品110
第3位 第30番 ホ長調 作品109
第4位 第28番 イ長調作品101
第5位 第21番 ハ長調 作品53「ワルトシュタイン」

第1位と第5位は中期の名作、第2~4位は後期ソナタが選ばれていました。

※過去6回(2006年~2016年)の統計(出場者ベース)

 

今年のピアノコンクールもぜひお楽しみください。

開催日時
 (会場:よこすか芸術劇場)

1次予選

4月29日(日)12:00-18:30

30日(月)12:00-18:30

5月1日(火)12:00-17:30

第2次予選

5月2日(水)12:00-17:30

5月3日(木)12:00-17:30

本選

5月5日(土)12:00-18:30

※各日とも11:30開場
※審査の進行状況により、時間に変更が出る場合があります。

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