YOKOSUKA ARTS THEATRE

世界へ羽ばたき、輝きを増した名手達の現在 - 田村響

3歳からピアノを始められたそうですね。幼いときからピアノ漬けの毎日だったのでしょうか?小学生・中学生とピアノ以外に夢中になったことはありますか?

田村(以下T) 小学1年生の時から毎年コンクールを受けていました。夏休みは練習漬けでセミの声を部屋の中で聞いていました。それでも時々は友達の家でゲームをしたり、外でサッカーや野球をしたりしていました。
2005年に「フレッシュ・アーティスツfrom ヨコスカ リサイタル・シリーズ」に出演されたとき、田村さんは17歳でした。当時のリサイタルのことを覚えていらっしゃいますか?また、横須賀という町の印象で覚えていることがありましたら、教えていただけますか?
T 何を弾いたかは覚えていますが、正直、演奏や町の事は覚えていません・・・。あとチラシに載った写真は覚えています。今とは全然違いますね(笑)
田村さんは当時からコンクールで入賞したり、演奏活動も色々と行っていらっしゃいました。すでに「プロのピアニストになろう!」と決めていたのでしょうか?

T プロになろうとかピアニストになろうというよりは、いい演奏がしたい、もっと成長したい、という向上心の方が強かったと思います。もちろんピアノをずっと続けているので、ピアノを辞めたり違うことを考えたりはしませんでした。

その後、オーストリアで学ばれ、2007年の20歳の時に、世界的に権威のある〝ロン・ティボー国際音楽コンクール〟で優勝されました。10年前のことですが、今でも思い出すことはありますか?
T よく覚えていますし、人間的に変化・成長するきっかけとなる時期でした。優勝したことで演奏活動が広がり、生活が変わったのはもちろんですが、私自身の私生活での出来事や、それによって出会った本や考え方や意識の変化などを今でも思い出します。それがあってのコンクールの優勝でもあったと思います。

さて、この秋も大変精力的に活動されていらっしゃいます。ソロ・リサイタル、室内楽、オーケストラ、シリーズもの等、今一番力を入れたいことや、音楽家として挑戦してみたいことは何ですか?

T 室内楽やオーケストラとの共演は一緒に音楽を創り共有出来る喜びがあり、今後も常に取り組みたいと思います。ソロも何か自分なりのテーマを掲げてシリーズで取り組めたらと考えています。
来年1月には13年ぶりに横須賀に戻ってきていただけますね。高関 健指揮、東京シティ・フィルと世界中で人気の高いラフマニノフの協奏曲第2番を演奏いただきます。この曲について、田村さんご自身にまつわる思い出がございましたら教えてください。
T 高関さんとは初共演なのでとても楽しみです。
この曲は15歳の時から弾いている曲で、これまでに何度も演奏する機会をいただきました。人生経験を重ねながら、少しでもアプローチの仕方や音楽が変化していくのを感じる時に、自分自身のフィルターを通して音楽が奏でられるんだと実感します。今後も精一杯弾きたいと思います!

最後に、横須賀のお客様へメッセージをお願いします。
T 再び横須賀で演奏できる事を嬉しく思います。今からとても楽しみです。
大作曲家が残した素晴らしい音楽を会場で共有しましょう!
お待ちしております!

おすすめ